業界研究 半導体・AI

【後編】半導体づくりの各工程と関連銘柄総まとめ!
後編:パッケージングから最終工程まで

中編(エッチング、洗浄・CPM、ダイシング、ボンディング)はこちら:
【中編】半導体製造工程と関連銘柄まとめ

半導体づくりの工程解説もいよいよ最終回です。前編・中編では設計からウエハ加工、そして切り出しまでを見てきました。後編では、切り出されたチップを製品として仕上げる「パッケージング」、そして品質を支える「検査・テスト」工程について詳しく解説します。

4-3. パッケージング工程と関連銘柄

「パッケージング工程」の概要

チップを保護し、外部と接続できる形に仕上げる工程です。精密な宝石をケースに入れて、持ち運べるようにするイメージです。近年は単なる保護だけでなく、小型化・高密度化・3D化(積層)・高放熱性などが求められ、先端パッケージ(2.5D/3D・チップレット等)の重要性が飛躍的に高まっています。

先端パッケージとは?

複数のチップを一つのケースの中で高度に接続する技術です。AI用GPUで使われるHBM(高帯域幅メモリ)などは、この技術なしには実現できません。TSMCのCoWoS(Chip on Wafer on Substrate)などが有名です。

「パッケージング工程」の主要関連銘柄

ASEはOSAT(後工程受託)で世界最大手、TSMCのCoWoSなど先端パッケージで連携。Amkorは米国・アジアでグローバル展開。JCETは中国最大手。イビデン・新光電気工業・京セラはパッケージ基板・セラミックパッケージで世界的評価。J-Devices・アオイ電子は日本の後工程を支えています。AI・HPC・HBM需要で高密度・高放熱・3Dパッケージの重要性が増しています。

企業名 主な役割・強み なぜ重要か
ASE Technology 台湾 OSAT世界最大手(シェア約45%) 先端パッケージでTSMCと密接に連携
Amkor Technology 米国 OSAT世界2位、グローバル展開 Apple等、米系大手メーカーと強いパイプ
JCET 中国 OSAT世界3位、政府支援で急成長 高度なパッケージング技術を習得中
イビデン 日本 パッケージ基板世界トップクラス ハイエンドIC基板で圧倒的な信頼性
新光電気工業 日本 パッケージ基板・組立で上位 高密度・高信頼性基板に強み
京セラ 日本 セラミックパッケージ世界最大手 センサやパワー半導体向けで必須

4-4. 検査・計測工程と関連銘柄

「検査・計測工程」の概要

各製造段階での欠陥、異物、寸法、特性を測定し、歩留まり(良品率)と品質を確保するために不可欠な工程です。微細化が進むにつれ、目に見えないレベルのわずかなミスも許されなくなっており、ナノスケールの高精度計測が求められています。

「検査・計測工程」の主要関連銘柄

KLAは検査・計測装置で世界最大手。レーザーテックはEUV時代に欠かせない「EUVマスク検査装置」でほぼ独占。で独占的地位。日立ハイテクは微細パターンを測る「測長SEM」で世界標準。アドバンテストはテスト装置で世界最大手。SCREENは洗浄・検査・計測の総合力で存在感。微細化・3D化・AI/HBM需要で今後も市場拡大が見込まれます。

企業名 主な役割・強み なぜ重要か
KLA 米国 検査・計測装置で世界最大手 欠陥検査・寸法計測で事実上の世界標準
レーザーテック 日本 マスク・ウエハ検査装置 EUVマスク検査装置で100%近い独占シェア
日立ハイテク 日本 測長SEM(CD-SEM) ナノスケールの寸法計測で世界トップシェア
アドバンテスト 日本 テスト装置世界最大手 メモリ・ロジックテストでグローバル展開
SCREEN 日本 検査装置・洗浄装置 洗浄・検査・計測を組み合わせた総合力

4-5. プローブ・テスト工程と関連銘柄

「プローブ・テスト工程」の概要

ウエハ上の各チップに針(プローブ)を刺して、電気特性を検査する工程です。ここで不良品を早期に弾くことが、後の無駄なコストを削るために非常に重要になります。

「プローブ・テスト工程」の主要関連銘柄

アドバンテストはテスト装置で世界最大手、テラダインが2位。日本電子材料・FormFactor・Technoprobeはプローブカード(半導体製造工程でウェーハの品質を検査する際に用いられる針がたくさんついた道具)で世界上位。AI・HPC・HBM需要の拡大で高性能テスト装置・プローブカードの需要が急増しています

企業名 主な役割・強み なぜ重要か
アドバンテスト 日本 半導体テスタ世界最大手 AI用チップの複雑なテストで不可欠
テラダイン 米国 テスト装置世界2位 メモリ・ロジックテストで高い競争力
日本電子材料 日本 プローブカード世界上位 高精度・多ピン対応の針技術で先端対応
FormFactor 米国 プローブカード世界最大手 先端ロジック・メモリ向けで圧倒的

銘柄選定のポイント

替えの効かない技術・高シェア分野

ASML(露光)、信越化学(ウエハ)、東京エレクトロン(成膜・エッチング)、レーザーテック(検査)などは、その分野で圧倒的なシェアを持っており、参入障壁が非常に高いのが特徴です。AIブームなど、市場全体のパイが広がる際に最も恩恵を受けやすい「インフラ」企業と言えます。

未来の成長分野

  • 先端パッケージ: 3D積層やチップレット技術。
  • 高帯域幅メモリ(HBM): AI処理に必須。
  • パワー半導体: EVや再生可能エネルギー向け(SiC/GaN)。

地政学リスク・サプライチェーン

半導体はもはや戦略物資です。米中対立や台湾情勢などの地政学リスクを背景に、各国が自国内でのサプライチェーン確保を急いでいます。

  • 補助金競争: 米国のCHIPS法、欧州の支援、日本のRapidusプロジェクトなど、巨額の税金が投入されています。
  • 拠点の分散: TSMCが熊本や米国に工場を作るなど、東アジア一辺倒からの脱却が進んでいます。

まとめ:半導体は巨大なリレー

半導体製造は、設計から最終出荷まで、世界中の企業がバトンを渡していく巨大なリレーのようなものです。

1. 設計(EDAソフト)
2. ウエハ(材料)
3. 装置(露光・成膜・エッチング)
4. 検査
5. パッケージ

このすべての工程において、日本や米国の企業が「替えの効かない」技術を握っています。投資の際は、どの企業がどの工程で、どれだけ強力な武器を持っているのかを知ることが、成功への第一歩となるはずです。

全3回(前編・中編・後編)にわたってお届けした「半導体づくりの各工程と関連銘柄総まとめ」、いかがだったでしょうか?複雑に見える半導体業界も、工程という「流れ」で見ると、各企業の役割が驚くほどスッキリ理解できます。

この記事が皆さんの投資判断や業界研究の助けになれば幸いです。ここまで読んでくださった方、本当におつかれさまでした!

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筆者プロフィール

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ムロタニ

デジタルネイティブ世代の現役京大生。ファンダメンタルは苦手ですが、がんばってぼちぼち書いていきます!
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